「なんとなくスルー」で年間どれだけ損してる?会社員と給付金の残念な現実
「給付金とか補助金って、なんか面倒くさそう」「自分には関係ないかな」「調べようと思ったまま忘れてた」——そんなふうに、公的制度をスルーし続けていませんか?
実は、日本に住む会社員が使える給付・補助・控除の制度は、知っているだけで年間数万〜数十万円の差が生まれることも珍しくありません。医療費控除、育児関連の給付、住宅補助、教育訓練給付金……名前は聞いたことがあっても、「自分が対象かどうか」まで確認している人はごく少数です。
忙しい毎日の中で「いつか調べよう」が「ずっと調べない」になるのは、あなたが怠けているわけじゃない。仕組みがわかりにくいし、どこから手をつければいいかわからないだけです。この記事では、今日30分だけ時間を取れば「自分が使える制度」がざっくりわかる方法を、会社員目線でまとめました。完璧に網羅しなくていい。まず1つ見つけるだけで十分です。
悩み①「そもそも何の制度があるかわからない」問題
なぜ起きるか
公的制度は国・都道府県・市区町村の3層構造になっており、窓口がバラバラです。さらに制度ごとに担当省庁が異なるため、「一覧で全部見られる場所」が存在しません。テレビやSNSで話題になったものしか目に入らず、地味だけど実用的な制度はなかなか知る機会がないのが現実です。行動経済学的に言えば、「情報の探索コストが高い」状態では人は自然と諦めてしまいます(これを現状維持バイアスと呼びます)。
今日からできること3つ
- ①「スマート申請」や「ぴったりサービス」を使う:マイナポータルの「ぴったりサービス(https://app.oss.myna.go.jp/)」では、住んでいる市区町村・年齢・状況を入力するだけで、自分が申請できそうな制度を一覧表示してくれます。スマホで5分もあれば確認できます。
- ②住んでいる自治体のサイトで「給付金」「補助金」で検索する:意外と知られていませんが、市区町村独自の補助制度が充実しているケースも多いです。「〇〇市 補助金 会社員」などで検索してみましょう。
- ③厚生労働省の「くらしの手続きナビ」を確認する:ライフイベント(出産・育児・介護・失業など)ごとに使える制度が整理されており、自分の現状と照らし合わせやすい構成になっています。
📌 今日のアクション:マイナポータルの「ぴったりサービス」にアクセスして、自分の居住地と状況を入力してみる。
悩み②「医療費が多い年なのに医療費控除を申請していない」問題
なぜ起きるか
会社員は年末調整があるため「税金の手続きは会社がやってくれる」という感覚が根強くあります。しかし、医療費控除・セルフメディケーション税制・雑損控除などは年末調整では対応できず、自分で確定申告しないと適用されません。「申告しないといけないと知らなかった」「レシートをためていなかった」「10万円を超えないと思っていた(実は総所得の5%という基準もある)」といった理由でスルーされがちです。
今日からできること3つ
- ①昨年の医療費レシートを今すぐ集める:病院の領収書、薬局のレシート、交通費メモなどをひとつの封筒にまとめるだけでOK。合計が10万円(または総所得の5%)を超えていれば医療費控除が使えます。家族分もまとめて申告できます。
- ②国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を試してみる:スマホでも使えるe-Taxの入力画面は、ガイドに沿って答えるだけで還付額の目安が出ます。申告する・しないを決める前に、まず「いくら戻るか」だけ試算してみましょう。
- ③セルフメディケーション税制も忘れずチェック:市販薬(スイッチOTC医薬品)の購入合計が年間1万2,000円を超えた分について控除が受けられます。ドラッグストアのレシートに「セルフメディケーション税制対象」と書いてあるものを確認してみてください。
📌 今日のアクション:昨年の医療費関連のレシート・領収書を財布や引き出しから全部取り出して、1か所にまとめる。
悩み③「育児・教育関連の給付、もらい忘れてないか不安」問題
なぜ起きるか
子育て世代にとって給付制度は特に手厚いはずなのに、「申請し忘れた」「締切を過ぎていた」というケースが後を絶ちません。これは制度の数が多すぎること、かつ申請しないと自動的には受け取れないものがほとんどであることが原因です。特に職場復帰後は忙しさのピークで、書類を確認する余裕がなくなりがちです。
今日からできること3つ
- ①育児休業給付金の受給状況をハローワークまたは会社に確認する:育休中は雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます(休業前賃金の最初の180日は67%、以降50%)。会社経由で手続きされているはずですが、金額や期間が正しいか一度確認しておきましょう。
- ②「こども家庭庁」サイトで児童手当・保育料補助の最新情報を確認する:2024〜2025年にかけて児童手当の拡充など制度改正が相次いでいます。「以前調べた情報」がすでに古くなっている可能性があるので、最新版を一度チェックを。
- ③教育訓練給付金を子育て中の自分に使えないか確認する:資格取得やスキルアップのためのスクール費用を国が補助してくれる制度です。一般教育訓練は受講費用の20%(上限10万円)、専門実践教育訓練は最大70%が支給されます。育児の合間に学んでいる方は要チェックです。
📌 今日のアクション:こども家庭庁のサイト(https://www.cfa.go.jp/)で「児童手当」の最新情報を1ページだけ読んでみる。
悩み④「スキルアップや転職活動にもお金が出ると知らなかった」問題
なぜ起きるか
「補助金=困っている人のためのもの」というイメージから、普通に働いている会社員は「自分には関係ない」と思い込んでいます。しかし、雇用保険に加入している会社員であれば、スキルアップや学び直しに使える給付が複数存在します。これらは「黙っていたら出ない」受け取り型の制度で、知っているか知らないかの差がそのまま金銭的な差になります。
今日からできること3つ
- ①教育訓練給付金の対象講座を「教育訓練給付制度 講座検索」で調べる:厚生労働省のサイトから検索できます。語学・IT・医療・介護・ビジネス系まで幅広い講座が対象です。気になる資格がある方はまず検索してみましょう。
- ②「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」を確認する:転職を前提としたキャリア相談・リスキリング費用について、受講費用の最大70%(上限56万円)が支給される制度です。2023年度から拡充されており、30〜40代の会社員にも広く使えます。
- ③ハローワークの「キャリアコンサルティング」は無料で使える:「ハローワークは失業者が行く場所」ではありません。在職中でも、キャリアの相談・給付金の案内・求人情報の閲覧が無料で利用できます。近くのハローワークの場所だけでも今日確認しておきましょう。
📌 今日のアクション:厚生労働省の教育訓練給付制度の講座検索ページで、自分が興味ある分野のキーワードを1つ入れて検索してみる。
悩み⑤「住宅・災害・介護……ライフイベントでもらえるお金を見落としている」問題
なぜ起きるか
住宅購入・リフォーム・自然災害・親の介護など、人生の大きなイベントには公的な補助が用意されていることが多いですが、「そのとき」に調べないと機会を逃す制度が多いのが特徴です。購入後に「住宅ローン控除って何年もさかのぼれるの?」と気づいても遅い場合もあります。イベントが発生したその瞬間に「給付・補助がないか」を確認する習慣がないことが、見落としの最大の原因です。
今日からできること3つ
- ①住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の残年数を確認する:住宅ローンを組んでいる方は、毎年確定申告(または年末調整)で控除を受けられます。控除期間は最長13年。「もう申告しなくていいと思っていた」という誤解が多いので、今年の適用状況を給与明細や源泉徴収票で確認しましょう。
- ②介護保険の「高額介護サービス費」を親が使っているか確認する:親が介護サービスを利用している場合、月の自己負担額が一定額を超えると払い戻しが受けられます(高額介護サービス費制度)。介護している家族が知らないケースが多いため、市区町村の介護保険担当窓口に確認してみましょう。
- ③被災・盗難があった年は「雑損控除」を確認する:台風・水害・火災・盗難などで損害を受けた場合、確定申告で「雑損控除」が使えます。「もう過ぎてしまった…」という方も、5年以内の損失であれば繰越控除が可能なケースがあります。
📌 今日のアクション:住宅ローンがある人は昨年の源泉徴収票を引っ張り出して「住宅借入金等特別控除」の欄に金額が入っているか確認する。
まとめ:今日30分でできる「会社員の公的制度チェックリスト」
難しく考えなくて大丈夫。まずは下の表を見ながら、自分に関係しそうな項目を1つだけ選んでアクションしてみてください。
| カテゴリ | チェックすべき制度・行動 | 所要時間の目安 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 制度の全体把握 | マイナポータル「ぴったりサービス」で自分の対象制度を確認 | 約5分 | マイナポータル(app.oss.myna.go.jp) |
| 医療費控除 | 昨年の医療費レシートを集めて合計額を計算 | 約10分 | 国税庁「確定申告書等作成コーナー」 |
| 育児・教育 | 児童手当・育児休業給付金の最新情報を確認 | 約5分 | こども家庭庁サイト / 会社の総務担当 |
| スキルアップ | 教育訓練給付金の対象講座を検索 | 約5分 | 厚生労働省「教育訓練給付制度 検索システム」 |
| 住宅ローン | 源泉徴収票で住宅借入金等特別控除の適用を確認 | 約3分 | 昨年の源泉徴収票 / 国税庁サイト |
| 介護 | 親の介護サービス利用状況と高額介護サービス費の確認 | 約5分 | 市区町村の介護保険担当窓口 |
| 自治体独自制度 | 居住している市区町村のサイトで「補助金」検索 | 約5分 | 市区町村の公式サイト |
会社員が給付金・補助金を活用するためのマインドセット
「お金をもらうのはなんか申し訳ない」「手続きが面倒」「自分が対象かどうかわからない」——そういう気持ち、とてもよくわかります。でも、これらの制度はもともとあなたの税金や保険料が財源になっているものがほとんどです。使わなければ、ただ払い損になるだけ。
完璧に全部調べなくていいです。今日1つだけ、気になった項目を確認してみる。それだけで十分です。もし1つでも「これ使えそう!」という制度を見つけられたら、その30分は何十倍もの価値になって返ってきます。
情報は待っていても向こうからは来ません。でも、探し方を知れば意外とすぐ見つかる。今日のあなたの「ちょっと調べてみようかな」が、未来の家計を大きく変えるかもしれません。まずは1つだけ、やってみましょう。


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